国際情勢 ブラジル、1日あたり死者数で米国抜く 新型コロナ / WHOテドロス事務局長、日本の緊急事態宣言解除は「成功例」/ イギリス政府、来月から商店など段階的に再開 / 海外メディアが伝えた日本の感染対策とは…緊急事態宣言解除
ブラジル、1日あたり死者数で米国抜く 新型コロナ
【サンパウロ】ブラジル政府によると、同国の24日の新型コロナウイルスによる1日あたりの死者数は653人だった。米ジョンズ・ホプキンス大の集計(日本時間26日午前5時時点)によると、24日の米国の死者数(633人)を抜き、国別で首位となった。米欧では感染のピークを超え感染者数・死者数とも減少傾向が続くが、ブラジルなど中南米諸国は感染拡大が続いており、新たな震源地となりつつある。
米国は4月下旬の約2600人をピークに減少が続く一方、ブラジルは足元で増加が続いていた。週末で死者数の統計が少なくなる傾向にある中ではあるが、ブラジルが米国を抜いたのは集計開始以来はじめて。既にブラジルは累計感染者数が約34万7千人と、米国(約163万3千人)に次ぎ世界で2番目となっている。ブラジルは欧米諸国に比べ検査態勢が脆弱で、水面下での感染はさらに進んでいる可能性が高い。
中南米ではメキシコやペルー、チリといった国でも感染が拡大しており、死者の増加が続いている。各国とも所得格差が大きく、衛生状態が悪い場所に住んでいる低所得者層の感染が問題となっている。
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WHOテドロス事務局長、日本の緊急事態宣言解除は「成功例」
WHO=世界保健機関のテドロス事務局長は、日本で緊急事態宣言が解除されたことについて「成功例を見ることができた」と評価しました。
「日本でも成功例を見ることができた」(WHO テドロス事務局長) テドロス事務局長は25日の会見で「安倍総理が6週間以上前に課した緊急事態宣言の解除を発表した」と切り出し、ピーク時よりも感染者、死者数ともに減少させたとして日本の現状を「成功」と位置付けました。
また、「日本は宣言解除と同時に感染例の特定や検査、隔離などは続けるだろう」として、今後の取組みにも期待感を示しました。
ただ、WHOの専門家は中南米やアフリカはまだ第一波の真っただ中にあり、いつでもこの疾患は跳ね上がるとし、たとえウイルスの抑え込みに成功した国であろうと高いレベルの警戒を緩めてはならないとも付け加えています。
一方、新型コロナウイルスの起源を巡って中国の王毅外相が24日の会見で国際的な調査に協力すると表明したことについて、WHOのマイク・ライアンエグゼクティブディレクターは「調査に対する中国の開かれた姿勢を聞けてうれしい」と歓迎しました。
その上でWHOは日々、中国にいる研究者と議論を交わしているとしましたが、具体的な調査の時期については「速やかに開始されることを望んでいる」と述べるにとどまりました。
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米大統領服用の抗マラリア薬、WHOが臨床試験中止発表
WHO=世界保健機関は、マラリアなどの治療薬「ヒドロキシクロロキン」が新型コロナウイルスの感染症にも効果があるかどうか確かめるため行っていた臨床試験を、一時中止すると発表しました。
WHOのテドロス事務局長は25日、世界35か国、400の病院が参加している臨床試験プログラムで、ヒドロキシクロロキンの治験を中止したことを明らかにしました。
ヒドロキシクロロキンについては先週、イギリスの医学誌「ランセット」が、新型コロナウイルスに感染した重症患者へ投与した場合に死亡率が高まる恐れがあるとの論文を発表していました。
これを受けて、23日、WHOは臨床試験での使用を取りやめる判断をし、これまでのデータの検証を行うとしています。
ヒドロキシクロロキンは、アメリカのトランプ大統領が一時服用するなど一部の国で使用が推奨され、新型コロナウイルスの治療薬としての可能性が注目されていました。
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イギリス政府、来月から商店など段階的に再開
イギリス政府は来月から段階的に商店などの営業を再開すると発表しました。
25日、ジョンソン首相は、新型コロナウイルスの感染規模を示す指標が改善している、として、来月1日から屋外にあるマーケットや自動車のショールームについて営業再開を認め、状況が許せば15日からはデパートや衣料品などの商店の再開を認めると発表しました。
店側は2メートルのソーシャル・ディスタンスを守ることなどが求められます。
なお、飲食店や理髪店などは早くて7月からの再開となっています。
本来、措置の緩和は今週木曜日に予定されている検討会議の結果、決定されることになっていますが、会見の3時間前には首相の側近、カミングス上級顧問が自らの外出制限破り疑惑について反論する会見を開いていて、ジョンソン政権としては緩和発表を前倒しすることで話題の転換を意図した可能性もあります。
ただ、記者からの質問はカミングス氏の問題に集中、これに対してジョンソン首相は「カミングス氏が会見で答えたのだからそれ以上のことを私から言うのは適切ではない」と繰り返しました。
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英首相側近“外出制限破り”に反論「例外もあると書いてある」
イギリス・ジョンソン首相の側近で「外出制限を破っていた」と指摘されたカミングス上級顧問は異例の記者会見を開き、自分の行動はルール違反に当たらないと主張した上で辞任を否定しました。
カミングス上級顧問は新型コロナウイルス対策で厳しい外出制限が敷かれていた3月末に、400キロ以上離れた実家に行っていたことが報じられ、これが「外出制限破りだ」と指摘されています。
カミングス氏は25日、上級顧問としては極めて異例の記者会見を開き自らの行動に問題はなかったと主張、辞任や謝罪を否定しました。
「その14日間について言えば、私は常識的に行動したと考えています」(カミングス英首相上級顧問) カミングス氏によれば当時、妻が体調を崩したことから自らも新型コロナウイルスに感染した場合、4歳の息子の面倒を見ることができなくなることを危惧。
実家の農場に住む姉一家が支援を申し出たため、同じ農場の離れで自主隔離をしていたということです。
当時のイギリス政府のガイドラインは「新型コロナウイルスの症状が出た場合、自宅を離れてはならない」「別の家に住んでいる家族を訪ねてはならない」と定めていましたが、カミングス氏は「ガイドラインには、“小さな子供がいる家庭は必ずしもルールに従うことができない場合もある”と書いてある」「親族とは十分な距離を保って会話をしていた」などとして自らの行動はルールにのっとっていたとの説明を繰り返しました。
「政府のガイドラインは何があっても家にいろ、とは書いていません。
規則に従えない場合もある、と書いてあります。
そういう例外的な事例に当たると考え、複雑な状況の中でバランスをとろうとしたんです」(カミングス英首相上級顧問) ただ、“国民の多くが政府のスローガンに忠実に自宅にこもっていた時期に、政権中枢にいる人物がルールを自分に都合よく解釈した”との印象は残るとみられ、今後、政府からの新型コロナについての呼びかけに対する国民の態度に影響が出る可能性もあります。
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スペイン、一時感染深刻の首都もロックダウン緩和
スペインでは、新型コロナウイルスの感染が深刻だった首都マドリードなどでもロックダウン=都市封鎖が緩和され、レストランの屋外の席などの利用が再開されました。
マドリードでは、25日から、国が定めるロックダウン解除の「第一段階」に入り、レストランやカフェのテラス席が、定員を半分に減らすことを条件に再開されました。
ただ、屋内の席は、引き続き使用が禁止されていて、採算が取れないと判断して休業を続ける店も多いということです。
スペインでは地域ごとに経済再開の程度に差をつけていますが、今回、感染が深刻だったマドリードやバルセロナなどが緩和の第一段階に進んだことで全土でロックダウンが緩和されたことになります。
スペインは7月から国外からの観光客を受け入れる、としていて、ゴンサレス外相は25日、ツイッターで、現在、入国者に対して行っている14日間の隔離についても7月には解除すると明らかにしました。
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南米が感染拡大中心地 米 ブラジルからの入国禁止
WHO=世界保健機関が感染拡大の「新たな中心地」として、警戒を強めている南米ですがアメリカが24日、ブラジルを訪れた外国人の入国を原則禁止すると表明しました。ブラジルでは新型コロナウイルスの感染者が36万人を超えるなど急速に感染が拡大しているためアメリカは過去14日間以内にブラジルに滞在した外国人の入国を29日から原則禁止します。アメリカのCDC疾病対策センターのレッドフィールド所長は、先週フィナンシャルタイムズのインタビューで、「南半球での急速な感染拡大は、今年の秋から冬にかけてアメリカで感染が再拡大する可能性を示唆していて、再び都市封鎖に追い込まれる可能性が高まっている」と警鐘を鳴らしました。マーケット情報です。
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中国で広がるアフリカ系住民差別 「マスク外交」に冷めた目も
マスクをした大勢のアフリカ系住民が道路脇に座り込む。毛布をかぶったり、路上に横たわったりする人もいる。4月にケニアのテレビ局が撮影した中国広東省広州市の様子だ。
「俺もこの中にいた。何の説明もなく、1年以上住んでいたアパートを突然、追い出された」。広州で建設業に従事するソマリア出身のモハメッドさん(25)は憤る。
原因は新型コロナウイルス。香港メディアによると、広州市では3月下旬に入国したばかりのナイジェリア人男性の感染が判明。感染したナイジェリア人5人が飲食店を複数回出入りしていたことも分かり「千人以上のアフリカ人が感染した」とのデマが拡散した。「アフリカだけでなくインド、パキスタンなど肌の色が違う人は、みんな家から追い払われた」
モハメッドさんは警察に駆け込んだが相手にされず、宿泊できるホテルを探して数日歩き回った。「配車アプリでタクシーを呼んでもアフリカ人だと分かると乗車拒否された」。スーパーや飲食店で食料を買えない人や、診察を断られた妊婦もいたという。
広州の米総領事館は4月中旬に声明を出し「地元警察がレストランやバーに対し、アフリカ系住民に給仕しないよう命じている」と指摘。ケニア外務省なども差別を批判する声明を出した。中国当局は「アフリカの友人の懸念を重視している。正当な要求に積極的に応えていく」との談話を急きょ発表。無料のホテルを用意するなど火消しに回った。しばらくして騒動は収まったが、「中国人への不信感は消えない」とモハメッドさんはこぼす。
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中国は2000年以降、資源確保や輸出先開拓のためアフリカに接近してきた。18年には総額600億ドル(約6兆4600億円)の巨額支援を表明。世界2位の経済力を背景に、アフリカ諸国への影響力を拡大する戦略だ。
中国国内に多くのビジネスマンや留学生を受け入れ、特に「世界の工場」といわれる広東省には、中国製品を買い付けに来たアフリカの貿易業者らが数万人規模で暮らすとされる。
ただ「小非洲(リトルアフリカ)」と呼ばれる広州の居住区では偏見や摩擦が絶えない。6年前から広州市内で貿易業を営むケニア出身のジョセフさん(32)は中国人の冷たい態度に違和感を抱いてきた。「ケニアでは仕事上の付き合いでも一緒に食事して良い関係を築くのが普通だが、中国人はビジネス以外では会おうとしない。まるで、人ではなくカネと付き合っているみたいだ」。「中国人は俺たちを見下している」とぼやく友人も少なくない。
コロナ禍で噴き出した排外主義は今も続いていると感じる。「道路ですれ違う際に手で口を覆ったり、聞こえよがしに『黒人は嫌だ』と言ったりする中国人もいる」。中国人との取引は大幅に減ったという。
新型コロナの世界的な感染拡大を受け、中国政府はアフリカ諸国に医療用品や人材を送る「マスク外交」に力を入れる。脆弱(ぜいじゃく)な医療体制と経済の急減速にあえぐアフリカ側からは歓迎の声が上がるが、広州に住むアフリカ出身の20代男性の見方は冷ややかだ。「中国はあくまでもビジネスパートナー。本当の友人ではない」
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アフリカでの新型コロナウイルス感染者 感染爆発起きず? 若年層の多さ一因
【ロンドン時事】アフリカでの新型コロナウイルス感染者は先週、10万人を超えた。今のところ欧米のような爆発的な感染拡大は起きず、死者は24日現在、約3300人に抑えられている。世界保健機関(WHO)はアフリカの人口の60%が25歳未満の若年層であることも要因の一つとみるが、「保健システムは脆弱(ぜいじゃく)で、感染が突然増加すれば対処は難しい」(モエティ・アフリカ地域事務局長)と警告している。
<新型コロナウイルス 世界各国の状況>
WHOによると、アフリカ54カ国で感染が確認された人は24日時点で約11万人。全世界の2%程度だ。南アフリカが約2万1000人(死者約400人)と最多で、これに約1万6500人のエジプト(同730人)が続く。アフリカ最大の人口を抱えるナイジェリアは約7500人(同220人)にとどまっている。
新型コロナは高齢者が重症化しやすく、欧州では60歳を超える人が死者の95%近い。モエティ氏は22日の声明で「若者が多いことが死者の少なさにつながった可能性がある」と述べた。
南アフリカの最大都市ヨハネスブルクで、食料の寄付の受け取りを待つ子どもたち=20日(EPA時事)
国際通貨基金(IMF)のセラシエ・アフリカ局長は20日、英シンクタンク主催のオンライン講演で「人口構成や気象条件が影響しているのは確かだろうが、政策がもたらした効果は小さくない」と指摘した。南アフリカでは3月に国境封鎖や夜間外出禁止令が出され、ナイジェリアでは州を越えた移動も禁止された。同局長は社会・経済活動制限を迅速に導入したことが感染拡大の阻止に寄与したとの見方を示した。
一方で、これらの制限が経済に深刻な打撃を与えるのは避けられない。ナイジェリアやアンゴラといった産油国には油価の大幅な下落がのしかかる。IMFは4月、サハラ以南のアフリカ地域の今年の実質経済成長率を1.6%減と予測した。セラシエ局長は「見通しがさらに悪くなるのを懸念している」と述べた。
南アフリカやナイジェリアなどは5月に入り、経済再開に向け制限の緩和に動きだしたが、感染拡大につながる恐れも指摘されている。WHOは先に、アフリカで新型コロナの封じ込めに失敗すれば、1年間で最大4400万人が感染し、19万人の死者が出る恐れがあると警告している。
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海外メディアが伝えた日本の感染対策とは…緊急事態宣言解除
新型コロナウイルスの感染拡大で出されていた緊急事態宣言が全国で解除されたことについて海外のメディアは、日本の感染対策や爆発的な拡大を抑え込んだ背景などを伝えています。
このうち、アメリカの有力紙、ウォール・ストリート・ジャーナルは、日本の感染対策について、「ほかの多くの先進国とは対照的に感染の範囲を把握するための大規模な検査を行わず、代わりに感染者の集団『クラスター』の発生源を追跡してきた」と伝えています。
有力紙のワシントン・ポストは、日本独自の対策に注目し、「罰則を伴う強制ではなく、国民への自粛の要請や社会の圧力によってウイルスを封じ込める日本独特のやり方で、ある程度成功した」などと伝えています。
イギリスの公共放送BBCは、ヨーロッパやアメリカと比べて感染の拡大が抑え込まれた背景について「ふだんからかぜをひいた時にマスクをつけたり家で靴を脱いだりする日本の高い衛生意識などの要素が重なったためではないか」と指摘しています。
また、イギリスの有力紙、ガーディアンは「密閉・密集・密接」のいわゆる3密ということばを紹介したうえで、「日本では国民が協力して『3密』を避ける努力をしたことなどによってウイルスの封じ込めに成功したようだ」などと伝えています。
一方、ロイター通信は、「世界3位の経済大国は感染の爆発を免れたが、ウイルスの流行によって不況に陥った」と伝え、政権の支持率にも影響を与えたと分析しています。
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緊急事態宣言を全面解除 / “宣言解除”受け東京では / 北海道でも解除、不安の中で・・・
政府は新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言を全国で解除しました。安倍総理は経済対策を盛り込んだ第二次補正予算案を27日、決める意向を表明しています。
「ここから緊急事態宣言全面解除後の次なるステージへ、国民の皆様とともに力強い一歩を踏み出します」(安倍晋三首相) 安倍総理は「世界的にも厳しいレベルで定めた解除基準を全国的にクリアした」と説明する一方で、再び感染拡大する事態に備え感染者と接触した可能性を知らせるスマートフォンのアプリを来月中旬から導入する予定だと明らかにしました。
その上で一次補正とあわせ200兆円を超える事業規模になる第二次補正予算案を27日に決定すると表明しました。
店舗の家賃負担軽減のため最大600万円まで受けとれる給付金を新たに創設するほか、医療従事者らに対し最大20万円の給付を行うなどとしています。
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“宣言解除”受け東京では
緊急事態宣言の解除を受け、街では様々な声が聞かれました。
「やっと終わってほっとできる」(男性) 「第2波第3波が来ることを考えたら、もうちょっと延ばしてもよかったのかなと」(女性) 東京・新宿では緊急事態宣言の解除に安堵しつつも、再流行を懸念する声が聞かれました。
時短営業で売り上げが9割減った渋谷区の居酒屋では・・・ 「全面解除と言われているが、全面解除ではないという気持ちで、僕らも感染対策は常にやっていくと」(ハラミが主役 森脇優雅代表) この店では感染対策をとった上で、26日からおよそ2か月ぶりに夜の営業を再開します。
「午後8時をまわりました。
レインボーブリッジが虹色にライトアップされています」(記者) 一方、レインボーブリッジでは、感染状況を示すライトアップが始まりました。
感染状況が落ち着いていれば7色の「虹色」に、感染拡大の兆候が見られた場合は、「赤色」にライトアップされます。
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北海道でも解除、不安の中で・・・
北海道でも緊急事態宣言が解除され、多くの飲食店では、客足の回復や感染への不安を抱えながら新たなスタートを切りました。
JR札幌駅では北海道に笑顔を届けたいと臨時休業中のホテルがライトアップを始めました。
一方、繁華街のススキノでは・・・ 「(人通りが)少ない」(札幌市民) 「全く安心していない。
マスクは変わらず着け続ける」(札幌市民) 札幌では、飲食店で夜7時以降もアルコール類を提供できるようになりましたが、客足の回復や感染への不安は尽きません。
「徐々に(客足が)回復すればいい。
一気に以前のようになるとは思っていない」(日本料理店) 北海道も、ようやく「新しい日常」に向けた第一歩を踏み出しました。
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3週間ごとに評価し制限緩和
緊急事態宣言が全国で解除されることに伴い、政府は段階的に社会経済活動を再開する際の指針を示しました。
政府の指針ではおよそ3週間ごとに地域の感染状況を評価し、外出自粛などについて段階的に制限を緩和します。
都道府県をまたぐ移動については引き続き今月末まで控えるよう促しますが、来月19日には移動を認め、8月1日には観光も含め全面的に再開します。
政府はこれに合わせ、旅行や飲食の消費を補助する「GoToキャンペーン」を開始するとしていますが、感染拡大の「第二波」への懸念もあります。
「小さな流行を抑え込んでいく。
この努力を重ねることによって、私は経済と感染防止策との両立が可能だというふうに思っています。
ご指摘のようなことを考えると、いつまでたっても経済を動かしていくことはできません」(西村康稔経済再生相) 西村大臣は、両方のバランスをはかっていくことが自分の役割だと述べました。
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1都3県で休業要請緩和始まる
緊急事態宣言の解除を受け首都圏の1都3県では休業要請の段階的な緩和が始まっています。
「午前0時をもってステップ0からステップ1に進みます」(東京都 小池百合子知事) 東京都は26日から休業要請の段階的な緩和の「ステップ1」へと移行しました。
これにより図書館や博物館が再開されプロ野球の無観客試合なども可能になるほか、飲食店の営業についても午後10時まで延長できることになります。
都は29日に改めて対策本部会議を開き、次の「ステップ2」に向けて移行できるかどうかを判断する方針です。
過去にクラスターが発生しているスポーツジムやライブハウスなどについても今後、国の方針に基づいて緩和の対象に加えるかどうかを検討するということです。
都立学校については来月1日から再開としますが、登校頻度などについては段階的に拡大していく方針です。
一方、神奈川県では、27日午前0時から適切な感染防止対策をとることを前提に全ての業種への休業要請が解除されます。
ただ、飲食店を含め原則、午後10時までの時短営業は要請するということです。
埼玉県では外出自粛の要請を解除したうえで、県外や夜の繁華街への外出は控えるよう呼びかけたほか、アルコール類の提供は午後10時までとしました。
映画館やパチンコ店などに出されていた休業要請については感染防止対策を徹底するとしたうえで解除されました。
また、千葉県では、26日から大学や学習塾、映画館などへの休業要請が解除されます。
来月1日には、パチンコ店やカラオケ店も解除される予定です。
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雇用調整助成金の特例期間を9月末まで延長
新型コロナウイルスの影響で従業員を休ませている企業に対して支給される「雇用調整助成金」について、政府は給付金額の上限を引き上げる特例期間を「9月末」まで延長する方針を固めました。
雇用調整助成金をめぐっては、政府が新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、1日当たりの上限額を1万5000円に引き上げ、給付額の上限を33万円とする方針を示しています。
当初、こうした特例の適用については4月1日から6月末までの3か月間を想定していましたが、新型コロナウイルスの影響が長期化する中で、政府はこれを9月末までの半年間に延長する方針を固めました。
また、政府は休業手当に関して労働者が自ら申請できる月33万円を上限とした新たな給付金制度についても同じ条件で支給する考えです。
政府はこうした内容を27日に閣議決定する予定の第2次補正予算案に盛り込む方針です。
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上限を月100万円給付に引き上げ、家賃めぐり政府が新たな支援策
新型コロナウイルス対策で事業者に対する家賃支援策をめぐり、政府が、国による負担額の上限をこれまで検討していた月50万円から100万円に引き上げたことがわかりました。半年で最大600万円が給付されます。
「店舗の家賃負担を軽減するため、最大600万円の給付金を新たに創設します」(安倍晋三首相) 政府が新たに創設する家賃支援策では、月の家賃が75万円までの場合、その3分の2を、それを超える225万円までについてはその3分の1が半年間給付されます。
これにより、給付額は最大で600万円となります。
対象は前の年の同じ月と比べて売り上げが半減した事業者などです。
家賃支援策をめぐって、政府はこれまで「中小企業」の場合、月50万円を上限として家賃の3分の2を補助する方向で調整してきましたが、複数の店舗を経営する事業者向けに支援額の拡大を決めたものです。
家賃支援策は27日に閣議決定される第2次補正予算案に盛り込まれ、政府与党関係者によりますと、費用は2兆円程度となる見通しです。
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医療専門家、第2波に警戒=新型コロナ、夏も感染力維持か
新型コロナウイルスの感染拡大が収まり、緊急事態宣言が全面解除された。
ただ、医療の専門家は、ほとんどの人がウイルスへの免疫を持っていない現状では、今後「第2波」が来る可能性が高いとみて警戒している。
東京など大都市の新規感染者は、減りはしたものの残っている。感染報告ゼロの日が続いて一足先に宣言が解除された地域も、水面下で感染が続いている恐れがある。
政府諮問委員会のメンバーの1人は、人と人の接触制限が緩めばすぐに拡大に転じる可能性があると分析し、「感染者数が増えるのが6月なのか、7月になるのかは分からない」と語る。感染が医療機関や介護施設に広がれば、短期間に多くの患者が見つかって医療提供体制が逼迫(ひっぱく)する事態につながり得るという。
新型コロナウイルスには、夏に感染力が弱まり冬に強まる「季節性」があるとの見方も存在する。だが、米科学誌サイエンスに5月、ほとんどの人が免疫を持たない状態では、季節による影響はあるとしても弱く、ウイルスは急拡大するとの論文が掲載された。諮問委のメンバーは「夏にリスクが下がるとは思っていない」と話す。
大橋順・東京大准教授(集団ゲノム学)も、季節性は強くなさそうだと指摘。「夏にいったん収束する可能性もあるが、その場合でも海外からの感染者の入国などをきっかけに、冬に再流行する恐れが大きい」と分析する。
大橋准教授によると、流行規模を抑える対策を取る限り、人口の6割が感染して集団免疫が成立するまで10年かかる可能性がある。有力なワクチンの開発にも時間を要する。それまでは対策を緩めたり厳しくしたりを繰り返す生活を続ける必要があるという。
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参考
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